平成17年11月

皆様お久しぶりです!

久しぶりのレストア記を書いています

平成16年7月に静岡から1502がやってきて早1年半が過ぎました。

部品取りで仕入れたものの、車の状態が良く、完全に部品取りにすることは非常にもったいなく感じて
とりあえず、先に完成した02tiiへ水温計や左ドアを利用した後は
展示場の片隅に眠らせておりました。
いづれこの1502もレストアして乗れるようにしてあげようと・・・

そんな矢先、平成16年8月31日。台風16号による猛烈な風で
事務所が崩壊。。外壁の一部が1502を直撃してしまい、
天井、ボンネットは凹みが出来、フロントガラスは割れてしまいました。
もう復活させるのは無理だろうなぁ〜と感じていました。
でも、フロントガラスなどの部品さえあれば何とかなら無くはないだろうとも・・・

そんな時、以前から部品取りに譲って欲しいとお願いしておりました方が
お見えになられ、1502を手放すとのお言葉を頂きました。

早速、車を引き取りに行ったのは言うまでもありません。





状態としては右ドアは腐食し、使い物になりません。
ただ、他の部分はまだ充分使えるような状態で、ヒーターブロアも正常に機能しています。
メーター関係も正常。
これで1502をレストア出来る状態になりました★

早速、レストアする1502をリフトアップして各部の現状を把握します。




台風で被害を受けた1502です。
ボンネットとフロントガラスは修復不能です。
運転席のドアが白いのは02tiiにドアを移植した為です。
このドアも使い物になりませんので、部品取りの1502から頂きます。

オーバーフェンダー・フロントバンパーは取り外します。
一応、オリジナルに戻す為にこのパーツは使わない方向で考えています。


早速下廻りを見ていきます。
今まで一度もリフトアップしたことがなかったのでどのようになっているのか。。。


一番腐食の激しいのはドランク下部のスペアタイヤ部と、運転席のアクセルペダル下でした。
この部分は02tiiも同じように腐食していた所です。

ヘッドライト下も腐食のあった場所でしたのでグリルやライトを外して確認します。

やはり、腐食が確認できましたので、早速ここから作業を始めます。
溶接を要するので、ウインカー類も外しておきます。
0.8mm鉄板をRに合わせて加工し、真鍮溶接で接合します。
ガス溶接で普通の溶接棒だと、溶着温度が高い為にボディーに歪が出る為に溶解温度の低い真鍮を使用するわけです。
溶接後、サンダーで表面を滑らかにし、錆止め塗装を行いました。

同時進行で、錆の出ている部分はベルトサンダー等を用いて、錆を取り錆止めしておきます。

次に、ボンネットを取り外してエンジンルーム洗浄です。



バルクヘッド側のセンターにある鉄板も腐食していた為に
FRPで補修しましたので白っぽく見えると思います。

さて、エンジンルームの状態ですが、02tiiほどの悪い状態ではありません。
エアクリーナーBOXはすでに取り外し、ブラックで塗装する準備に回しました。
キャブ本体にビニール袋で防水処理後、全体に洗剤をかけ
靴洗い用のタワシやブラシ、ゴム手袋に軍手をはめ、ブラシ等の入らない所は直接洗いました。
エンジン本体は高圧洗車機で一気に汚れを落とします。



洗浄後、写真では判り難いですが明らかにきれいになりました★


次に運転席足元の腐食の修正を行います。
フロアマットがあるので見た目はわかりませんが剥がして見れば一目瞭然。穴が開いてます。。

この部分のアンダーコートなどを全て剥がし、鉄板を溶接後FRPで補強していく事にしました。


足元であることを考慮し、ガラス繊維を5枚ほど貼りました。鉄板より強度ありそう・・(笑)
02tiiは鉄板を真鍮溶接後、シリコンで細かなところを埋めていきましたが、こちらのほうが良かったかも知れません。
ガチガチに乾燥させた後、表面を滑らかにして塗装します。
(塗装はまだまだ先です・・)


次に、左右ドアの板金作業です。
左ドアは02tiiで使用したので新しく部品取りで入った1502から拝借します。
この車のカラーはフィヨルドブルーというカラー。
レストア中の車はパステルブルーというカラーになりますので当然、再塗装となります。
状態を見ると、やはりドア下部の腐食が目立ちます。

そこで左右ドアの板金(FRP補修)を行うことにしました。
ただ、あまり穴の大きいところは鉄板を溶接してからでないと
ガラス繊維を貼ることが出来ないのでそのような部分のみ溶接後、FRP補修としました。


左ドアは室内側と外側両方ともにFRP補修が必要でした。


右ドアは左ドアより状態は良く、内側のみFRP補修しました。
1502には本来取り付かない車両外周に付いているサイドモール(アルミ製)は取り外す方向で作業します。
穴埋めはFRP樹脂に粉(貝の粉だったかなぁ〜)を混ぜてパテ状にし、埋めていきます。
この方法で問題ないかテストで0.8mm鉄板にφ3の穴をあけ、パテを埋めて1日放置後折り曲げてみました。
その結果、ポリパテのようにパリッと割れるようなことは無く、なかなかの粘りがあったのでその方法を採用しました。
溶接だとどうしても鉄板に歪が出るため避けたかったがゆえの方法です。
ただ、そのままパテを付けても表面をなだらかにしようとすれば穴の部分だけにパテが残り
とてもじゃないけど耐久性はありません(多分、簡単に穴があいてしまうでしょう)
ですので、穴の周囲1cm程度をベルトサンダーで深く削り、パテがきちんと乗るような加工が必要です。




トランク部分のモールも取り外し、錆を落とした後に錆止めを塗っておきました。
この部分も同じ方法で穴埋めします。もちろんオーバーフェンダー取り付けの穴も同様です。



FRP樹脂のパテを研磨した後、ポリパテで最終的に補修します。


まだパテ削りの途中ですが、この作業が終わればサーフェイサーをかけて下地処理は完了です。


左右ドアはすでにポリパテの作業も終わり、サーフェイサーを吹きかけて錆などから守ります。
塗装はもう少し先の話ですから・・・
ドアやボンネット、トランクは一度全部取り外してから塗装することにしました。
作業性と仕上がりの良さを考慮した結果です。
写真にはありませんが、トランクも取り外し板金後サーフェイサーをかけておきました。
トランクの補修は特に大きな腐食もなく普通の板金作業でOKでしたので割愛します。

トランク内のスペアタイヤ部も内側からFRPで補修します。
この部分は02tiiでも同じ作業でクリアしました。



ココも表面を均一に慣らして同色塗装を施します。
裏面からも同様にFRPで補修します。